あれから9年 -2011.3.11 東日本大震災-
2011年3月11日14時46分
今までに体験したことのない強い揺れから、感じたことのない恐怖が襲ってきました。これは只事ではないな、これからどうなるのだろうと、一瞬にして沢山のことが頭を駆け巡ったことを昨日のように覚えています。
TVには同じ東北の想像も絶する姿が映っており、ショックとしか言いようがありませんでした。
( 湖山医療福祉グループ はまなすの丘から見下ろした気仙沼本吉町 )
津波被害は甚大であり、はまなすの丘周辺も壊滅状態。
建物及び老健に入所されているお客様・職員に対する人的被害はありませんでしたが、
ライフライン途絶により、入所されているお客様・職員にも二次的な生命危機の危険が迫っておりました。
派遣支援では対応不可能と判断し、3月13日より川西湖山病院・かがやきの丘への移送を開始、5日間で96名を搬送しました。
受入れは無事に完了しましたが、プライバシーが十分でない狭い環境。
(かがやきの丘 通所リハビリフロア) (かがやきの丘 リハビリ室)
十分なスペースはなく、1人ひとりに寄り添う看介護は不十分。
情報の少ない中でのケアや人員不足、休日となれば燃料確保のために開いているスタンドを探したり等、心も体も落ち着ける時間は正直なく、職員の不安や疲労もピークとなります。
しかし、誰も弱音を吐かず仲間を信じ、声をかけ合うことを大切にしました。私達よりも、被災し辛い想い、慣れない環境で生活しなければいけないのはお客様であり、身体のケア以上に、心のケアが大切な仕事の一部だと感じることができました。
また、全国のグループの皆様の支援により励まされ、お客様の生活を支えて頂いたことに深く感謝申し上げます。
震災による食料、水、電気などの無い生活を経験し、今できている普通の生活のありがたさを実感しています。
震災を受け、私達が守らなくてはならないと感じたのは、物資不足などの不安から過剰な買い占めをしないこと。今もコロナウイルスの影響から物資不足が続いておりますが、多くを求めすぎず、困っている時は助け合う精神を忘れずにいなくては…
震災関連の報道は少なくなっていますが、被災地の方々の心の傷、失ったものの多さ、これからもその現実と向き合って生活していかなければいけないことを何年経っても忘れずに、私達がこの経験から得たものを伝えていくこと大切にしたいですね。
令和2年3月11日 医療法人社団 緑愛会 事業本部 青木